手話は、手の形・位置・動きに加え、表情なども使う言語です。日本語の単語を一つずつ手の動きに置き換えるだけでは、手話の会話にはなりません。この記事では、指文字との違い、日本で使われる表現の違い、最初に取り組む練習を紹介します。
形や動きをすぐに見たい方は、無料の挨拶動画10選や指文字の画像一覧へ進めます。教材の確認状況は、この記事の「初心者が最初に試す基本表現」で説明しています。
手話とは
手話には、単語だけでなく文を組み立てる仕組みがあります。全日本ろうあ連盟の見解でも、手の形や位置、動き、表情を用いる、独自の文法体系を持つ言語と説明されています。
手だけでなく、顔や身体も見る
動画を見るときは、手元を拡大する前に顔と上半身を含む全体を見ましょう。次の表は、特定の手話を教える動作説明ではなく、動画を見るときの観察項目です。
| 見るところ | 確かめること |
|---|---|
| 手 | 指の形、手の向き、身体のどこで表しているか |
| 動き | どこからどこへ動くか、両手がどう関わるか |
| 顔・身体 | 口や眉、視線、身体の向きがどう変わるか |
| 場面 | 誰が誰に、何を伝えているか |
一時停止は形を確かめる助けになりますが、静止画一枚では動きの順序や表情の変化まで分かりません。細部を見たら、通常速度でもう一度確かめてください。
手話と指文字はどう違う?
日本語の指文字は、かなを手の形や動きで表すものです。名前の読みなど、一文字ずつ伝えたいときに使えます。神奈川県の教材案内でも、自己紹介と指文字をそれぞれ紹介しています。
| 比べる点 | 手話の単語・文 | 日本語の指文字 |
|---|---|---|
| 表すもの | 言葉の意味や、文として伝えたい内容 | かななどの文字 |
| 学ぶ例 | 挨拶を交わす、好きなことについて話す | 自分の名前の読みを伝える |
| 次に必要な練習 | 相手の表現を読み取り、返す | 文字を続けて表し、読み取る |
指文字をすべて覚えてから手話へ進む必要はありません。挨拶と、自分の名前に必要な数文字を並行して学ぶところから始められます。
日本で使われる手話と表現の違い
日本手話と日本語対応手話
日本手話は、日本のろう者の間で発達してきた、日本語とは異なる構造を持つ言語です。「日本語対応手話」は、日本語の語順などに沿って手話の単語を用いる表し方を指す呼び方です。日本語の文に手話単語を当てはめるだけで、日本手話の文になるわけではありません。
ただし、この呼び分けだけで、話者を二つの集団に分けたり、使う表現に優劣を付けたりはできません。全日本ろうあ連盟も、用語によって手話を使う人々を分断しないよう注意を促しています。学習先では、どのような言語・表現を扱うのかを確認しましょう。日本手話と日本語対応手話の違いでは、用語をもう少し詳しく整理しています。
地域によって違うこともある
国立国語研究所の解説では、日本手話にも地域による違いがあることを、数字や「名前」などの例で示しています。教材と相手の表現が違ったら、すぐに誤りと決めず、その場面で何を意味するか尋ねてみましょう。逆に、違いをすべて「方言だから正しい」と判断することもできません。
手話を使う人とろう文化
手話は、ろう者の暮らしや人とのつながりの中で受け継がれてきました。聴者が学ぶときも、単語を覚えることに加え、その言語を使う人たちの話や経験に触れてみてください。
聞こえ方だけで、その人が手話を使うか、筆談を望むかは決められません。会話の相手に、使いやすい方法を尋ねます。手話が分からないときは分かったふりをせず、文字で確かめるなど、互いに分かる方法を相談しましょう。
教室や交流会は、相手の話を聞き、自分も話す場です。知っている手話を一方的に試すだけでなく、参加する場の目的や進め方も大切にしてください。
初心者が最初に試す基本表現
今日、ひとつ試すなら
挨拶の無料動画から、次に人と会う時間帯の挨拶を一つ選びます。まず最後まで見て、次に見本を閉じて思い出し、再び動画で確かめます。覚えた語数より「見ずに思い出せたか」「どこが分からなかったか」を記録すると、明日の練習を決められます。
最初の目標は、自分が使いたい挨拶を一つ選び、どの場面で使うかを考えることです。このサイトでは次の教材を無料で見られます。
| やってみたいこと | 開くページ | そこでできること |
|---|---|---|
| 挨拶の動きを見る | 挨拶動画10選 | 「こんにちは」「ありがとう」などの実写動画を、通常・0.5倍で見る |
| 名前の文字を探す | 指文字一覧 | かなの画像を拡大する。動きの動画が付いた文字も確認する |
| 自己紹介の内容を考える | 自己紹介の準備 | 名前・出身・好きなことなど、伝える内容を整理する |
自己紹介の準備ページは、話す内容を考えるための文章です。会話動画を掲載したページではありません。
教材について(要確認): 当サイトの画像・動画はアプリの収録素材です。外部監修の完了は確認できていません。個々の手話表現の正確性と、撮影時点の左右の向きは要確認です。動きに迷う場合は、神奈川県の挨拶・指文字教材も参照し、教室の講師などに確かめてください。
動画をまねるときは、画面の右側と実演者の右手を混同しないようにします。左右反転は映像を鏡のように映す処理で、別の角度から撮った映像ではありません。向きが不明な教材を、自己判断で反転して正解とすることは避けましょう。
手話の学び方を目的別に選ぶ
| 方法 | 使いやすい場面 | 別の方法で補いたいこと |
|---|---|---|
| 動画・アプリ | 同じ単語を繰り返し見る、短時間で復習する | 自分の表現が相手に伝わるかの確認 |
| 本・辞書 | 説明を読み返す、関連する言葉を調べる | 動きや会話の速度を動画で見る |
| 教室・サークル | 相手の表現を見て返す、疑問を尋ねる | 次の参加日までの反復練習 |
| オンライン講座 | 自宅から講師の説明や対話に参加する | 顔と両手が映る画角、通信環境を整える |
例えば、平日は動画で挨拶を一つ練習し、教室で伝わり方を確かめ、帰宅後に気になった言葉を辞書で調べる、という組み合わせができます。勉強方法7選、初心者向けの本5選、教室の探し方から、自分に合う学習先を探してください。
アプリで繰り返し確かめたい方へ
手話しゅわには、指文字一覧、単語の検索、動画の通常・スロー再生、単語動画を見て答える確認クイズと復習機能があります。動画を見るだけで終わらず、覚えた意味を確かめたいときに使えます。
指文字は無料で学べます。単語の閲覧やコースなどには無料枠とPremiumの区分があるため、無料範囲と料金を確認して選んでください。クイズは自分の手の動きや会話を採点する機能ではありません。表し方の確認には、講師などからのフィードバックも組み合わせましょう。
無料で調べる・動画で見る・人と学ぶ入口
探したいものによって、使う窓口を変えると迷いにくくなります。単語を探す辞書と、会話を学ぶ講座は役割が違います。
| いま知りたいこと | このサイトで試すこと | さらに調べる場所 |
|---|---|---|
| 挨拶の形と動き | 挨拶の動画10選を一つ再生する | 自治体やろう者団体の実演教材 |
| 名前を一文字ずつ表す方法 | 指文字一覧で名前に使う文字を探す | 講師に続けて表したときの読みやすさを確認してもらう |
| 知りたい単語が見つからない | 単語の調べ方で意味や言い換えを整理する | 新しい手話の動画サイトなどの語彙資料 |
| 相手とやり取りしたい | 日常会話の練習で目的を決める | 地域の講習会・交流会や対話のできるオンライン講座 |
| 子どもと一緒に学びたい | 子どもとの学び方を読む | 子ども向け講座や、聞こえ方に応じた相談窓口 |
検索結果に出ても、現在使える教材とは限らない
2026年9月10日の確認時点で、NHKの旧「手話CG単語検索サイト」には終了の案内があり、同じページから研究紹介サイトが案内されています。古い紹介記事の「無料で使える」という説明だけで判断せず、提供元の現在の案内を開いてください。
映像には、実写、CG、単語の実演、会話の実演などの違いがあります。何を学ぶために作られた映像か、表情や上半身まで見えるか、説明や問い合わせ先があるかを確認しましょう。無料公開されている映像でも、画像や動画ファイルの再配布まで許されているとは限りません。
7日間の学習ロードマップ
これは、取りかかり方を決めるための一例です。1日5〜10分ほどから、無理のない時間に調整してください。7日間で会話を習得できるという目安ではありません。
| 日 | やること | 終わりに確かめること |
|---|---|---|
| 1日目 | 手話と指文字の違いを読み、使いたい場面を一つ決める | 誰に何を伝えたいか |
| 2日目 | 挨拶を一つ選び、通常速度で動画を見る | 手だけでなく顔も見られたか |
| 3日目 | 同じ動画を止めたりスローにしたりして観察する | 分からない形や向きをメモできたか |
| 4日目 | 自分の名前に必要な指文字を一覧で探す | 動きのある文字はどれか |
| 5日目 | 2日目の動画を見返す | どの場面で使う言葉だったか |
| 6日目 | 本・辞書や教室など、もう一つの学習先を探す | 3日目の疑問を確かめる方法があるか |
| 7日目 | 覚えたことと、まだ迷うことを書き分ける | 翌週に続けたい練習を一つ選べたか |
まとまった学習計画が欲しくなったら、4週間の初心者ロードマップへ進んでください。語彙を増やすときは、基本10語の学習案内で候補を選べます。
手話に関する法律・支援を調べるとき
「手話に関する施策の推進に関する法律」は、2025年6月25日に公布・施行されました。内閣府の案内で法律の本文・概要、手話への理解を深める教材や行事情報を確認できます。
地域の講座や通訳派遣を探す場合は、住んでいる自治体の公式案内も見てください。受講対象、申込期間、費用、相談先は地域・事業ごとに確かめます。ここに記載した制度情報の確認日は2026年9月9日です。
まず押さえたい5つのこと
手話は世界共通ですか?
世界共通ではありません。国や地域で異なる手話が使われます。国立国語研究所の解説でも、この違いを説明しています。日本の手話を学ぶときは、教材が扱う言語を確認しましょう。
指文字を全部覚えるのが先ですか?
挨拶と、自分の名前に必要な文字を一緒に始めて構いません。指文字だけでなく、言葉の意味や相手の表現を読み取る練習も続けます。
動画をまねれば、正しく表せていますか?
同じつもりでも、形や向きが違っていることがあります。動画との比較だけで正確さを判断せず、疑問をメモして講師などに確かめてください。
アプリだけで会話まで学べますか?
手話しゅわは指文字や単語の反復に使えますが、相手に合わせて伝え、聞き返しに応じる練習には対話の機会が必要です。教室や学習会も組み合わせてください。
今日、何から始めればよいですか?
挨拶動画10選で使ってみたい言葉を一つ選ぶか、指文字一覧で自分の名前の文字を探してみましょう。分からなかった点を一つ残すだけでも、次に学ぶことが決まります。