子どもと手話を学ぶときは、最初に目的を分けます。聞こえる子が言語・文化として学ぶ場合と、ろう・難聴児が十分な言語環境へアクセスするために家族が情報を探す場合では、必要な支援が異なります。後者は遊びの教材選びだけで完結させず、ろう者、教育・発達の専門家、地域の支援機関から複数の選択肢を得てください。

「子ども」という単語の表し方だけを探している方は、渋川市の「今月の手話『子ども』」動画で実演を確認できます。親子の学習や教材選びは、以下で目的に合う項目を選んでください。

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まず無料で試せる三つの教材

教材一緒にすること大人が確認すること
神奈川県の子ども向け手話学習冊子子ども向けPDFから興味のあるページを選ぶ絵だけで動きを推測せず、対応する説明も読む
同ページの「手話でおはなし・どうぶつへん」一緒に見て、出てきた動物の話をする鳴きまねと手話表現を区別する
本サイトの無料挨拶動画明日の朝の「おはよう」を一緒に見る動物の装飾絵は手話の見本ではない

年齢表は活動を選ぶ目安で、発達の判定や習得期限ではありません。文字がまだ読めない子には、大人が単語名を添え、長時間の反復より興味のある短い場面を選びます。答えを急がせず、見直したいときに一緒に戻りましょう。

ろう・難聴の子どもが日常の言語を身につけるための環境づくりは、聴者の親子が挨拶を体験する活動とは目的が異なります。その場合は、BBEDの子育ての案内などを入口に、継続的な言語環境と相談先も検討してください。

目的この記事でできること次に必要なこと
親子で日本手話を学びたい年齢別活動と教材の選び方ろう者講師・地域の学習先を探す
学校や園で手話に触れたい短い活動と参加の工夫本人の言語・情報保障を個別相談
ろう・難聴児の言語環境を考えたい相談前の論点整理早期支援、ろう教育、医療等から複数情報を得る
乳幼児の身振りを取り入れたい用語の違いを確認ベビーサイン等を日本手話と同一視しない

聞こえ方だけで使用言語を決めず、本人・家族の希望、言語へのアクセス、地域資源を確認します。

教材サイトと、継続して手話に出会う場

単語を一つ調べること、親子でレッスンすること、子どもの日常の言語環境を整えることでは、役立つ資料が異なります。

公開元・活動使い方と確認点
全国手話研修センター「Let’s 手話!for キッズ」子ども向けの学習サイト。入口の体験とログイン後のレッスンを区別し、保護者・教職員向けの利用方法を読む
京都府立聾学校のWeb幼児手話辞典生活分野や五十音から語を探す。掲載されている手話・キューサイン・口形記号などを同じ仕組みとして扱わない
大阪の「こめっこ」0歳から未就学のろう・難聴児が、仲間やろう者と手話で関わる活動。参加対象・場所・日程を確認し、必要なら家族向けの相談支援も調べる

いずれも、本サイトのアプリを利用するために登録が必要なサービスではありません。教材を見た後も、子どもが伝えたいことへ周囲の大人が応じられる時間を作りましょう。継続した言語環境の相談では、動画の再生回数より、日々だれと何をやり取りできるかを具体的に伝えると相談しやすくなります。

年齢別に始める活動

乳幼児

顔が見える位置で、日常の繰り返しを視覚的に共有します。食事、入浴、家族、好きな物など、子どもの関心と生活に結びついたやり取りを行います。大人が正解を見せ続けるより、子どもの視線・表情・手の動きへ応答し、交互の会話を作ります。

ろう・難聴児の言語獲得については、単語数や発音だけで判断せず、早期から十分な言語へアクセスできる環境を専門家・ろう者と検討します。

小学生

自己紹介、家族、学校、動物、食べ物など身近なテーマを、絵本、カード、クイズ、短い会話へつなげます。指文字だけの競争にせず、相手の表現を見て意味を取り、自分の考えを返す時間を作ります。

一回10〜15分の短い活動を継続し、「今日は3語覚えた」より「一つの質問と答えをやり取りできた」を目標にします。

中高生

友人、部活動、進路、ニュース、ろう文化など、自分の意見を伝えるテーマへ広げます。字幕付き動画を見て要約し、ろう者講師との会話で質問を作ります。SNSの短い動画だけで唯一の表現を決めず、地域・世代・言語の表示を確認してください。

遊び・絵本・動画の選び方

遊び

神経衰弱、絵探し、役割遊び、伝言、物語づくり等を、見る・表す・確認する活動へします。速さだけを競うと、手の形を雑にまねる学習になりやすいため、意味と会話を評価します。

絵本

場面、登場人物、気持ち、出来事の関係を視覚的に語ります。文章を単語単位で手話へ置き換える練習は避けましょう。手話動画版がある場合は、実演者、使用言語、字幕、利用権、公開日を確かめます。

動画

  • 顔と上半身が見え、手が画面外へ切れない。
  • ろう者・日本手話話者が制作に関わり、出典が示されている。
  • 日本手話、アメリカ手話(ASL)、ベビーサイン等の名称が明記される。
  • 通常速度、字幕、必要な解説がある。
  • 広告、外部リンク、個人情報収集が子ども向けに適切。
  • 動画・音楽・絵本の利用権が確認されている。

具体的な動作は本文から推測せず、ろう者や専門家が制作に関わり、出典の示された動画で学びます。

家庭・園・学校での工夫

家庭

選ぶ、断る、尋ねる、気持ちを伝えるといった日常の会話で手話を使います。練習時間だけに限りません。家族全員が学び、ろう・難聴児だけに説明役を負わせないようにします。

園・学校

一斉指示、呼出し、予定変更、行事、避難情報を視覚化します。手話の歌を一度行うことを情報保障の代わりにせず、本人が授業・友人関係へ参加できる手段を継続します。学校で使う手話も参照してください。

オンライン

子どもの顔・名前・学校が映る動画を無断で公開しません。講師の本人確認、録画・保存、第三者参加、チャット、決済、保護者同席のルールを事前に確認します。

ろう者との交流と相談先

ろう者が講師・企画者として関わる教室、地域の聴覚障害者団体、ろう学校・教育相談、自治体の難聴児支援などを探します。交流会では、相手との関係や文化を学びます。子どもが一方的に手話を試す場所として参加しないようにしましょう。

ろう・難聴児の家族は、医療機関だけ、学校だけ、一つの教材会社だけに情報を限定せず、ろう者の成人・保護者、教育、福祉、医療から複数の視点を得ます。補聴機器の利用と手話言語へのアクセスを、単純な二者択一にしないことも大切です。

1週間の活動例

日活動見るポイント
月絵本から3つの場面を選ぶ子どもがどこを見たか
火場面の語彙を動画で確認顔・手・使用言語
水カードで質問と答え順番に見る・返す
木日常で一つ使う自然な場面と本人の反応
金短い物語を作る単語ではなくつながり
週末ろう者講師・学習会で確認別表現と文化的背景

絵本を一緒に楽しむための具体的な進め方

日本手話の絵本・動画を探す

BBEDの書籍・DVD・動画案内には、聞こえない・聞こえにくい赤ちゃんと家族向けのCL絵本「ボール」や、日本手話で絵本を楽しむDVDの案内があります。資料によって配布・閲覧・貸出の条件が異なり、DVDの貸出には賛助会員登録が必要とされています(2026年9月10日確認)。「無料」の表示だけで選ばず、対象と利用条件を個別に読みましょう。

CL表現は物の形や動き、位置関係などを手話の文法に沿って表す仕組みに関わります。動物の絵から大人が独自に手の形を作るのではなく、教材の実演や解説、ろう者講師から学んでください。

見終わった後の会話を一つ増やす

同じ教材でも、見る前・途中・後の関わり方で活動を変えられます。次は家庭で使える活動案で、言語発達の評価表ではありません。

タイミング大人がすること子どもの反応に合わせた変え方
見る前興味のある本や場面を選んでもらう二つの表紙から選ぶだけでもよい
見ている間指差しや表情などに応じ、必要なら止める最後まで見切ることを目標にしない
見た後好きだった場面について一緒に話す絵を指す、もう一度見るなども受け止める
翌日遊びや生活の似た場面に気づく思い出せなくても正解を急がせない

手話の歌や発表会を取り入れるとき

歌に合わせた手の動き、日本手話による物語、単語の紹介は、それぞれ目的と表現の組み立て方が異なります。日本語の歌詞へ一語ずつ手の動きを付ければ自然な日本手話になる、と説明しないでください。発表を行う場合は、使用する言語・表現をろう者講師と確認し、楽曲や動画の利用条件も調べます。

発表の完成度だけを目標にせず、終わった後にも、子どもが好きなことや困ったことを伝えられるやり取りを続けましょう。

子どもの目的に合う学び方を選ぶ

聞こえる子が言語や文化として学ぶ場合と、ろう・難聴児の言語環境を整える場合では、必要な支援が異なります。年齢と関心に合う視覚的なやり取りを増やし、日本手話、ASL、ベビーサイン、身振りを同じものとして扱わないでください。教材選びでは、ろう者の関わり、子どもの安全とプライバシー、利用権も確かめます。

参考情報

日常の学習に手話しゅわ

必要な場面に備えて、基本表現を練習する。

医療・防災・金融などの重要な場面では公式案内や専門的な支援を優先し、アプリは日常語彙の事前学習にお使いください。

App Storeからダウンロード Google Play で手に入れよう