初めて買う手話の本は、学びたい内容に合わせて選ぶのが近道です。学ぶ順番が欲しい人、会話から試したい人、分からない単語を調べたい人では、役立つ本が違います。
候補は5冊です。出版社・発行元の公式情報をもとに比べます。確認日は2026年9月9日。価格や在庫は変わります。版や付属教材の利用条件も、購入時に各公式ページでもう一度ご確認ください。
最初に「本で何をしたいか」を決める
候補は、次のように役割が分かれます。掲載価格は公式サイトで確認した税込価格です。
| 書名 | 主な役割・向く人 | 公式案内で確認できる特徴 | 公式掲載価格(確認日現在) |
|---|---|---|---|
| DVDで楽しく学べる はじめて出会う手話 | 本と映像を往復しながら、初歩から進めたい人 | 10の場面、基本文・会話文・単語集を収録。A5判192ページ、約60分のDVD付き | 1,980円 |
| 新 手話ハンドブック | 基本語と会話に加え、手話の歴史や仕組みも一冊で読みたい人 | 基本単語200、基本会話50を2色刷りのイラストで解説。A5判変型208ページ | 1,650円 |
| わたしたちの手話 学習辞典 I | 学習中に語を調べ、語彙を増やしたい人 | 基本単語3,500語。日本語だけでなく手の形からも引け、由来や文法の解説もある。A5判646ページ | 2,860円 |
| はじめてでもそのまま使える 手話会話フレーズ228 | 日常、仕事、学校など、使いたい場面から短い表現を探したい人 | 228の会話フレーズをオールカラーのイラストで掲載。A5判224ページで、指文字・数詞の付録もある | 1,980円 |
| 新 日本語-手話辞典 | 多くの用例を参照する必要がある人、学習を長く続けている人 | 会話例を1万以上収載したB5判1,808ページの用例辞典 | 24,200円 |
最初の一冊として選びやすいのは、動きを見ながら進めたいなら『DVDで楽しく学べる はじめて出会う手話』、基本語と背景知識を広く読みたいなら『新 手話ハンドブック』です。会話の場面から入りたい人には『手話会話フレーズ228』が候補になります。
『わたしたちの手話 学習辞典 I』は、初めから通読するより、学習中に分からない語を引く使い方が向いています。『新 日本語-手話辞典』は大部で価格も高いため、初心者が急いで買う必要はありません。まずは図書館で使い勝手を確かめてから検討できます。
初心者が比較したい七つの項目
1. 対象とする手話・表現体系が書かれているか
教材によって、扱う手話や説明の方針は異なります。たとえば『手話会話フレーズ228』の公式案内には、日本手話と日本語対応手話の両方を掲載するとあります。両者を紙面でどう区別しているか、地域差や複数の表現をどう説明しているかは、前書きや凡例で確かめましょう。
同書の出版社は、図を鏡合わせにしていることも明記しています。本と動画を照合するときは同じ左右だと決めつけず、それぞれの教材の説明を先に読んでください。
2. 動画で動きと非手指要素を見られるか
連続写真や矢印は、手の動く順番を確かめる助けになります。ただし、速度、表情、視線、間の取り方は、紙面だけではつかみにくいものです。今回の5冊では『DVDで楽しく学べる はじめて出会う手話』に約60分のDVDが付きます。ほかの本を選ぶなら、内容を確認した動画や教室も組み合わせると理解しやすくなります。
3. 著者・監修者と出典が分かるか
著者、編集者、監修者、発行元を確認します。役割まで公式に示されていないときは、肩書だけを見て確認範囲を推測しないことも大切です。表紙だけで分からなければ、出版社の商品ページや奥付を見ます。
4. 索引から引けるか
索引も、本を選ぶ基準になります。後から「あの表現を確認したい」とき、探しやすさが効いてきます。『わたしたちの手話 学習辞典 I』は、日本語に加えて手の形からも引けると案内されています。場面から探したい人は、『手話会話フレーズ228』の章立てが自分の生活に合うかを見ると選びやすくなります。
5. 学習順序と復習問題があるか
挨拶、自己紹介、基本語彙、短い会話へ無理なく進めるかを見ます。入門書でも、読む順序が明確な本と、必要な場面を選んで読む本があります。毎週少しずつ進めたいなら前者、近く使う表現を先に知りたいなら後者が続けやすいでしょう。
6. 発行年と版が新しいか
古い本にも学べる内容はあります。ただし、制度名、連絡先、付属教材の利用方法、検定の範囲、社会的な用語は変わります。奥付で版と発行年を確かめ、時期によって変わる情報は主催団体の公式サイトで補いましょう。
7. 持ち運びと書き込みが続け方に合うか
大判の辞典は見やすい反面、持ち運びには向きません。通勤中に読むのか、机に置いて引くのか、書き込みたいのかを考えます。内容の多さより、実際に開く場面が想像できる本を選んでください。
本の種類ごとの使い分け
入門書は学ぶ順番を作る
動きを見ながら始めたい人は、『DVDで楽しく学べる はじめて出会う手話』を本編とDVDで一組として使います。先に紙面でその日の場面を読み、DVDで基本文と会話文を見た後、もう一度紙面へ戻る流れです。
『新 手話ハンドブック』は、基本単語200と基本会話50に加え、手話の歴史や仕組み、ろう教育に関する内容も案内されています。語や会話だけでなく背景も読みたい人に向きます。どちらを選ぶ場合も、初心者ロードマップに学ぶ章と日付を書いておくと、途中で止まりにくくなります。
辞典は必要なときに引く
『わたしたちの手話 学習辞典 I』は、基本単語3,500語を収録し、手の形からも引けます。学んだ語の意味や関連する表現を確認する、二冊目の本として使いやすい辞典です。
『新 日本語-手話辞典』は、1万以上の会話例を収めた1,808ページの大辞典です。詳しい用例が必要になった段階で検討し、購入前に図書館や見本で引きやすさを確かめるのが現実的です。辞典の見比べ方は手話辞書の選び方でも解説しています。
会話集は場面全体を見る
『手話会話フレーズ228』は、生活や仕事、学校などの場面から探せます。公式案内では、例文は基本3〜4ポーズ、最大6ポーズです。近く使う場面を一つ選び、まず短いフレーズから触れたい人に向きます。
ただし、例文の日本語を単語ごとに置き換える覚え方には注意が必要です。紙面で両方の表現体系をどう区別しているかを読み、動きや表情は動画や教室で補ってください。
資格対策本は公式範囲を先に確認する
『わたしたちの手話 学習辞典 I』の公式商品ページには、全国手話検定試験などの学習にも使えるとあります。一方、掲載範囲の説明には2016年度の情報も含まれます。検定に使う場合は、書籍だけで範囲を判断せず、主催団体が公開する最新の要項と基本単語を先に確認してください。
購入前にできるチェック
図書館で10分だけ試すときの手順
候補を二冊開き、「ありがとう」「自分の名前に必要な指文字」「日常で尋ねたいこと」をそれぞれ探してみてください。索引に見つからないとき、別の言葉や場面の目次から戻れるかも比べます。文字の大きさは見本画像だけでは判断しづらいため、普段読む距離で確認します。
DVD付きの本を選ぶ場合は、自宅で再生する機器を先に決めます。スマートフォンだけで学ぶ人は、DVDが付いていることと、スマートフォンから動画を見られることを同じ条件にしないでください。中古本では、付属品・認証コード・利用期限を別々に確認します。
購入せずに始めたい日は、挨拶の無料動画で「本でもう少し調べたい点」を一つ作ってから本を探すと、用途がはっきりします。
- 公式商品ページで、目次、ページ数、付属教材、見本の有無を見る
- 図書館や書店で、知りたい語を三つ探し、索引から迷わず引けるか試す
- イラストや写真だけで、手の向きと動く方向を読み取れるか確かめる
- DVD付きの本は、購入する機器で再生できるかを見る
- 中古本は、DVDなどの付属品がそろっているかを確認する
- 奥付で版、発行年、著者・編集者・監修者を確認する
とくに辞典は、収録語数が多くても、探したい語へたどり着けなければ使わなくなります。通販のレビューだけで決めず、見本または現物を一度開いてみてください。
一冊目と二冊目の組み合わせ例
| 学びたいこと | 一冊目 | 二つ目の資料 | 組み合わせる理由 |
|---|---|---|---|
| 動きを見ながら基礎から進める | 『DVDで楽しく学べる はじめて出会う手話』 | 『わたしたちの手話 学習辞典 I』 | 本とDVDで学び、分からない語を辞典で引ける |
| 基本語と背景知識を広く知る | 『新 手話ハンドブック』 | 内容を確認した動画・教室 | 紙面で全体像をつかみ、動きと読み取りを補える |
| 生活の場面から試す | 『手話会話フレーズ228』 | 入門動画・教室 | 短いフレーズを選び、表情や会話の流れを確認できる |
| 用例を詳しく調べる | 『わたしたちの手話 学習辞典 I』 | 図書館の『新 日本語-手話辞典』 | 日常の検索と詳しい用例調査を分けられる |
本だけを眺めても、相手の表現を読み取る練習は足りません。独学ロードマップを使い、動画、クイズ、会話の機会も予定に入れましょう。
このページで個別ランキングを断定しない理由
同じ初心者でも、欲しいのが「学ぶ順番」なのか「会話の例」なのか「引きやすい辞典」なのかで、選ぶ本は変わります。そのため、このページでは一位から順に並べず、用途、収録内容、動画の有無、引き方を基準に紹介しました。
書籍の仕様と価格は、2026年9月9日に出版社・発行元の公式ページで確認しました。紙面の見やすさや、自分の目的に合うかは人によって異なります。公式見本や現物を開き、最後はご自身の使い方に合わせて選んでください。
入門書の次に読みたいテーマを選ぶ
検索や書店の一覧には、単語辞典、会話集、検定対策、言語学、ろう文化、子ども向けなどが一緒に並びます。いまの疑問を一つ解決する本を選ぶと、買っただけで終わりにくくなります。
| 次に知りたいこと | 本の分類 | 目次で探す項目 |
|---|---|---|
| 単語は分かるのに会話が難しい | 日本手話の文法・練習帳 | 視線、表情、空間、文と会話の実例 |
| 手話を使う人の経験を知りたい | ろう文化・当事者の語り | 暮らし、教育、言語、コミュニティ |
| 将来、通訳を学びたい | 通訳・養成課程の参考書 | 通訳の役割、倫理、学習課程 |
| 子どもと楽しみたい | 子ども向け・親子向け | 対象年齢、絵や動画の見やすさ、やり取り |
| 試験への準備をしたい | 対象試験の公式教材 | 試験名、級、版、出題範囲、問題と解説 |
| 外出先でも単語を調べたい | 小型辞典・ハンドブック | 索引、持ち運びやすさ、動画へのアクセス |
文法やろう文化について読む時間と、動きを見て手話を使う時間は互いを補います。一冊でどちらも十分に学べると決めつけず、試し読みで自分の目的に合うか確かめましょう。
中古本や図書館の本では、付属教材を確認する
同じ書名でも版が違ったり、DVDが付いていなかったりする場合があります。動画が購入者向けの登録制なら、借りた本や中古本で利用できるかを提供元の案内で確認してください。QRコードが載っているだけでは、現在も無料で見られる保証にはなりません。
写真の向きも本ごとに確認します。「ミラー撮影」などの表記がある教材と、対面で撮影された動画を、同じ見方で混ぜないようにしましょう。分からなければ、本文の撮影・見る向きに関する説明へ戻ります。
「本」という単語自体を手話で知りたい方へ
このページの中心は教材選びです。本を意味する手話の実演を探している場合は、単語を調べるページを使い、動画と用法を確認してください。
本を買う前の最終確認
迷ったら、次の三つだけは購入前に決めておきましょう。
- 順番に学ぶ本と、必要なときに引く本のどちらが欲しいか
- 動きを確認できる付属教材が必要か
- 家で使うのか、持ち歩くのか
候補を二冊まで絞ったら、目次、見本、奥付、付属教材を同じ順序で比べます。最初から一冊ですべてをまかなおうとせず、「学ぶ本」と「調べる本」を分けても構いません。購入直前には、公式ページで価格、在庫、版、付属教材の状態を確認してください。