受付では、挨拶より先に「本人が希望するコミュニケーション方法」を尋ねます。来訪目的、予約、名前、待ち時間、場所は、手話・筆談・文字で確かめられます。医療、金融、法律、契約などの重要な用件は、専門通訳や担当者へつないでください。遠隔手話通訳を利用できる場所、時間、業務は窓口ごとに異なります。

「受付」の手話と、窓口の会話を動画で確認する

単語をすぐに見たい方は、江別市の「ちょこっと手話『受付』」へ進めます。窓口でのやり取りまで学びたい場合は、釧路市の「手話で応対しよう・病院の受付編」のような場面別の動画が入口になります。

Creative well-being Tokyoの「受付で必要な10の手話」は、日本手話と国際手話を扱う教材です。どちらの言語・表現を見ているかを確認してから練習してください。 二つの実演を一つの日本手話表現として混ぜたり、国際手話なら全員に通じると考えたりしないようにします。

受付研修では、動画で確認した一つの表現に加え、聞き取れなかった返答をどう確かめるか、誰へ引き継ぐかまで練習します。以下では、その準備と案内の流れを整理します。

受付で最初に伝えること

受付から担当者まで引き継ぐメモ

伝えること記入例
来訪目的○○の手続きについて相談
予約○月○日○時、担当○○
希望する方法筆談/手話通訳/文字入力
待つ場所○階の受付前
呼び出し画面表示/近くで知らせる

利用者が説明した希望は、本人の了解のもとで次の担当者にも引き継ぎ、窓口が変わるたびに説明をやり直さなくてよいようにします。受付者は予約の有無と用件を確認してから案内し、あいまいな指差しだけで階や場所を伝えないようにします。

具体例として、渋谷区の遠隔手話通訳は配備先の窓口で申し出る方式で、タブレットは区職員が操作します。配備場所と時間は施設によって異なり、使用中は待つ場合があります(2026年9月9日確認)。アプリを自分で入れれば全国の受付へ通訳がつながる制度ではありません。

受付側は、手話、筆談、文字入力、遠隔通訳等の選択肢を示し、本人に選んでもらいます。ろう者だから手話、難聴者だから大声、という決めつけをしません。

来訪者側は、次の四点を短く準備すると進みやすくなります。

  1. 予約の有無と時刻。
  2. 来訪目的・担当部署。
  3. 名前・受付番号。
  4. 希望するコミュニケーション方法。
段階確認すること視覚的な補助
到着受付場所、予約、用件案内板、予約画面
本人確認名前、番号、必要書類安全な端末・書面
待機順番、目安時間、呼出し方法番号表示、振動、直接合図
案内階、部屋、担当、移動地図、矢印、同行
引継ぎ希望手段、共有する用件本人の同意を得た要点メモ

来訪・予約・名前・用件の基本表現

具体的な手の形や動きは文章から推測せず、ろう者が実演し、受付場面の説明と出典が示された動画で学びます。

来訪・予約

予約あり・なし、時刻、担当者名、遅刻・変更を確認します。予約番号や日時は手話だけでなく、画面・文字でも照合します。

名前

指文字で名前を伝える場合も、同姓同名や読み違いを避けるため、予約画面・本人確認書類等を受付の安全な方法で示します。氏名や住所を周囲から見えるホワイトボードへ大きく書かせません。

用件

相談、申請、受取、面会、問い合わせ等を示し、具体的内容は担当部署で話せるようにします。受付の開放空間で病状・資産・法律相談の詳細を尋ねません。

待ち時間・場所・順番の確認

音声だけの呼出しは届きません。番号表示、スタッフの合図、振動端末、SMS等から本人が選べるようにします。待ち時間が変わった場合は更新を知らせます。

場所案内は「向こう」だけで終わらず、階、部屋番号、目印、エレベーター、受付後の順番を地図に示します。歩きながら手話を続けず、安全な場所で説明してから移動します。

遠隔手話通訳を使う場合

利用前に確認すること

  • サービスの運営者と通訳者の役割。
  • 対象窓口・対象業務・受付時間。
  • 利用者負担や予約の有無。
  • 画面・音声・通信・プライバシー環境。
  • 録画・保存の有無と個人情報の扱い。
  • 通信障害時の筆談・対面通訳等の代替。

受付担当は通訳者ではなく本人へ直接話し、画面の向こうの通訳者だけと会話しません。通訳が必要な内容を受付職員が勝手に要約せず、担当者まで継続できるか確認します。

個人情報を扱う受付での注意

氏名、住所、病状、相談内容、口座、契約等は必要最小限だけ扱います。筆談メモをカウンターへ放置せず、保存・廃棄の方針を決めます。私物スマートフォンの翻訳アプリへ個人情報を入力しないでください。

家族・同行者がいる場合も、本人の同意なく説明相手を切り替えません。法律・医療・金融等で利害や守秘が関わる場合は、家族通訳だけに頼らず専門通訳を検討します。

分からないときの引継ぎ

  1. 分かったふりをせず、いったん会話を止める。
  2. 本人が希望する別手段を確認する。
  3. 対応可能な担当者・通訳サービスへ連絡する。
  4. 本人の同意を得て、必要な要点だけ引き継ぐ。
  5. 待ち時間と呼出し方法を伝える。
  6. 引継ぎ先でも希望手段が継続されているか確認する。

病院の症状・同意は病院で使う手話、銀行の本人確認・契約は銀行窓口、店舗全体は接客手話に分けて確認してください。

練習方法

「予約あり」「予約なし」「担当不在」「待ち時間変更」「遠隔通訳へ切替」の5パターンをロールプレイします。単語の正確さだけでなく、本人へ直接話す、番号を視覚表示する、プライバシーを守る、引継ぎ後も情報保障を継続する点を評価します。

配置型の手話通訳と、受付の練習教材

通訳者がいる日を事前に確かめる

遠隔通訳とは別に、決まった日に窓口へ手話通訳者を配置する自治体もあります。小平市の2026年度の案内では、健康福祉事務センター1階で、原則として毎月第1・第3火曜日の9〜17時に各課の手続きなどの通訳を利用できます。具体的な日付は公式の日程表で確認してください。

これは小平市の制度の例です。自分が訪ねる自治体では、配置日・配置場所・対象手続き・予約の要否を確認します。「手話通訳者が市内にいる」ことと、「今日行く窓口で利用できる」ことを分けて調べましょう。

単語の暗記を、最後まで案内する練習へつなげる

受付の練習では、挨拶や名前に加えて、相手が次に何をすればよいかを伝えます。次の表は研修で使う日本語の状況設定であり、そのまま日本手話の語順や表現を示すものではありません。

状況受付担当が確認すること練習の終わりに確かめること
予約の時刻より早く来た受付可能な時刻、待つ場所呼び出し方法が決まったか
予約した名前が見つからない予約画面、日付、部署本人を責めずに照合できたか
担当者が席を外している戻る見込み、別の担当、再連絡待つか別の方法にするか本人が選べたか
別の建物へ案内する建物名、入口、受付の順序地図などで目的地を確かめられたか

基礎語彙は名前の伝え方、時間、無料の挨拶動画から確認できます。単語を知っていることに加え、待機中の変更と引継ぎを見える形にするところまで練習してください。

受付から担当者へ確実につなぐ

本人が希望する伝達方法を最初に尋ね、予約、名前、時刻、番号は文字や画面でも照合します。待ち時間の呼び出しは音声だけにせず、番号表示、振動、直接の合図から選べるようにしてください。医療、金融、法律、契約の用件は、希望する方法を引き継いだうえで専門担当へつなぎます。

参考情報

日常の学習に手話しゅわ

必要な場面に備えて、基本表現を練習する。

医療・防災・金融などの重要な場面では公式案内や専門的な支援を優先し、アプリは日常語彙の事前学習にお使いください。

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