「英語の手話」という言い方には、少なくとも三つの意味が混ざります。英語圏で使われる手話言語を知りたい、英単語を指文字で綴りたい、「手話」を英語で何と言うか知りたい、という別々の目的です。先に目的を分けると、ASLと日本手話、国際手話を取り違えずに済みます。
「英語の手話」が指すもの
英語で説明するときの短い例
| 伝えたいこと | 英文の例 | 意味 |
|---|---|---|
| 手話一般について話す | I am learning sign language. | 手話を学んでいます |
| 学習対象を具体的にする | I am learning Japanese Sign Language. | 日本手話を学んでいます |
| 相手の言語を尋ねる | Which sign language do you use? | どの手話言語を使いますか |
| ASLを探す | American Sign Language lessons | アメリカ手話のレッスン |
これは音声英語・英文として使う例で、ASLや日本手話の語順を示していません。「英語の手話を覚えたい」と思ったら、英語の単語を指文字でつづりたいのか、ASLなどの言語で会話したいのかを先に分けます。アルファベットの26文字を覚えることだけで、ASLの文法や会話を学んだことにはなりません。
| 知りたいこと | 答えの入口 | 注意点 |
|---|---|---|
| 「手話」の英訳 | sign language | 特定の言語名ではない総称 |
| 米国などの手話言語 | ASL | 英語を手に置き換えたものではない |
| 英字を手で綴る方法 | 英語指文字(manual alphabet) | ASL全体ではなく補助的な表現 |
| 海外で通じる手話 | 現地の手話言語または国際手話 | ASLが全世界で通じるわけではない |
検索や教材選びでは「ASLを学びたい」「英語の名前を指文字で表したい」のように言い換えると、目的に合う情報へ近づけます。
ASLと日本手話の違い
ASLと日本手話は、どちらも手、顔、視線、空間を用いる視覚言語ですが、同じ言語ではありません。語彙だけでなく、文の組み立て、非手指要素、会話の慣習が異なります。
ASLは英語そのものではない
ASLには独自の文法があります。英語の文章を語順どおりに手で置き換えればASLになるわけではありません。「American」という名称は主な使用地域を示しますが、英語の視覚版という意味ではありません。
日本手話も日本語の置き換えではない
日本手話も日本語とは異なる文法体系を持ちます。日本語の語順に手話単語を対応させる表現は、日本語対応手話などとして説明されることがあり、日本手話と同一視できません。日本手話と日本語対応手話の違いも併せて確認してください。
英語指文字と手話を混同しない
指文字はアルファベットの一文字ずつを表し、人名、地名、まだ共有されていない固有名詞などを綴るときに使われます。しかし、会話のすべてを指文字で綴ることと、自然なASLで会話することは同じではありません。
日本の指文字が日本語のかなに対応するのに対し、英語指文字は英字に対応します。形や運用は言語圏によって異なるため、日本の指文字から推測して表現しないでください。動画教材では、左右反転の有無、利き手、地域、実演者を確認する必要があります。
BSLや国際手話とも別
英語が使われる国でも手話言語は一つではありません。英国のBSLはASLと別の手話言語です。また、国際会議やデフスポーツで使われる国際手話もASLとは別の実践です。
「海外旅行で使いたい」なら、旅行先の現地手話、通訳・ガイドの対応言語、筆談や文字チャットも準備します。「海外のろう者と継続的に話したい」なら、その相手が普段使う手話言語を尋ねるのが確実です。
目的別の教材選び
ASLで会話したい
ASL話者が実演し、語彙だけでなく文法、読み取り、会話練習を含む教材を選びます。英語音声だけで説明する教材より、表現者と監修者、字幕、更新日が明記されたものが安心です。
英語の名前を指文字で伝えたい
英語指文字の一覧だけで終わらず、単語の綴りを一定の速度で読み取る練習も行います。自己流の静止画だけで覚えず、ASLの熟達者が実演し、出典の示された動画で手の向きと切り替えを確かめてください。
日本で手話を学びたい
日本のろう者との会話が目的なら、まず日本手話の基本と地域の教室・交流先を検討します。海外の知名度だけを理由にASLを選ぶと、身近な相手との目的に合わないことがあります。
翻訳したい
単語辞書や翻訳アプリは調査の補助です。文脈、表情、固有名詞、専門用語を含む会話を自動変換だけで完結させず、重要場面では専門通訳を利用します。
「手話を使う・学ぶ・通訳する」を英語で言う
そのまま使える短い英文
手話について英語で説明したい場合は、まず日常的な動詞と組み合わせます。次の文は、このページのために作成した英文例です。ASLの表現や語順を示すものではありません。
| 伝えたい内容 | 英文例 |
|---|---|
| 手話を使います | I use sign language. |
| 手話でやり取りしたいです | I would like to communicate in sign language. |
| 日本手話を教えています | I teach Japanese Sign Language. |
| ASLを学び始めました | I have started learning ASL. |
| 手話の授業に通っています | I take sign language classes. |
| 手話通訳を手配できますか | Can you arrange a sign language interpreter? |
| どの手話言語に対応していますか | Which sign languages are available? |
| この動画には手話通訳があります | This video includes sign language interpretation. |
教材や研究を探すときの用語
| 分野 | 検索に使う語 | 意味の目安 |
|---|---|---|
| 学習 | sign language lessons / fingerspelling | 手話の授業/指文字 |
| 人 | signer / sign language teacher | 手話を使う人/手話の教師 |
| 通訳 | sign language interpreter / interpretation | 通訳者/通訳 |
| 研究 | sign linguistics / sign language recognition | 手話言語学/手話認識 |
| 言語名 | Japanese / American / British Sign Language | 日本手話/ASL/BSL |
| ほかの地域 | French Sign Language / Indian Sign Language | フランス手話/インド手話 |
通訳者を探す際は、総称だけでなく必要な手話言語と音声言語の組み合わせを明示します。日本語と日本手話の通訳が、ASLにも対応するとは限りません。
「NGなジェスチャー」の一覧だけで学ばない
一般的な身振りと手話言語の語彙は同じものではありません。国別の禁止ポーズ一覧から、手話の正誤や礼儀を一律に判断しないでください。使う相手・地域・文脈を確認し、不明な表現は実演者や講師に意味を尋ねます。
ASLでは顔や身体も言語の一部です。NIDCDのASL解説を入口に、英語の語順だけでは説明できない性質を確かめられます。歴史は手話の歴史、日本での分類は手話の種類へ進むと整理できます。
「英語の手話」を正しく探す
検索するときは、目的を言語名まで具体化します。ASLを学ぶなら「ASL beginner」、英字の綴りなら「ASL fingerspelling」、英国なら「BSL」と入力してください。「sign language」だけでは、別の言語や指文字が混ざります。